知識
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金魚の世界では、金魚の体の色に名前がついています。今回は、よく専門店などでも見る二つの言葉を説明します。
1.赤(素赤)
2.白
3.黒
4.更紗
5.桜
6.三色(キャリコ)
7.六鱗
8.青
9.茶
素赤とは、全身が赤一色(オレンジ系統も含む)の金魚のことをいいます。金魚すくいの金魚で一番目にする色なので、一般的に一番認知されている金魚の色です。赤一色だといいましたが、全身が同じ色であることはほとんど無く、背中部分が濃い色、腹部分が薄い色の場合や各鰭の先端が白っぽい場合など定義が難しい部分もあります。また、この赤色の鱗は、成長にともない色が薄くなる場合や、鱗の色が徐々に白色になっていくこともあります。
白色は名前の通り、体の色が全身白色の状態の金魚を指します。白色の金魚は、一昔前までは商品価値があまり無く金魚の世界では、好まれない色でした。ですが、最近になって色が白いことで他の金魚(素赤・更紗)との差別化ができることや照明が蛍光灯などからLEDに変わり始めたことにより白という色が美しく見えるようになってきたことなどから、近年は人気が出てきています。また、同じ白色でも発色の仕方はさまざまで、普通鱗で真っ白な個体や透明鱗で真皮が白い個体もいます。後者の色は、白というよりはうすだいだいいろ色(はだ色)に近い発色になることが多いです。また、白と間違われやすいのが「アルビノ」という種類です。アルビノは、「色が無い」というのが特徴です。アルビノは、メラニンの生合成に関わる遺伝情報が欠損することにより先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患がある個体のことを指します。一目では、アルビノの個体と体が白い個体との見分けが付きづらい場合がありますが、特徴的な目の色を見ると区別ができます。白い個体の方は、目の色は黒ですが、アルビノの個体は瞳孔の毛細血管の透過により赤色になります。
黒色で最も有名なのは、出目金です。他にも、和蘭獅子頭や蘭鋳などの一部には、黒い色の特徴を持った種類も存在します。赤色の鱗と同じで、黒色の鱗も、成長するにつれて退色して場合があり色が薄くなると赤色などの他の色が入ってくることが多いです。黒色を鮮やかに保つのは非常に難しく、三歳以上になる、大きく成長させた漆黒の出目金などは、驚くような値段がつくことあります。
金魚の色の中でも一般的な「赤」と「白」の二色だけで体の色が構成されている金魚のことを更紗と呼びます。赤の部分が多い場合には赤更紗と呼び、白が多い場合には白更紗と呼ばれることもあります。ちなみに「更紗」という言葉は、もともとまだら模様を指します。また、更紗の他にも「紅白」などと呼ばれる場合もあります。最も金魚の体色の中でも人気が高い色だといえます。店などでは、「更紗〜(種類名)」などのような表記の仕方が多いです。
上記で説明した更紗は普通鱗で紅白の色をしているのに対して、桜色は透明鱗で真皮(一番上の表皮と下の皮下組織の間の部分)に紅白の色が入っている場合を指します。桜というと白っぽいピンクを想像する方が多いですが、金魚の体色での桜色は、赤っぽい色のことをいいます。紅白の更紗を淡くした感じに近いです。透明鱗という特徴であるために、赤い色が淡く見えます。最も有名な種類としては、「桜錦」があげられます。桜錦は、「桜ランチュウ」のことです。
透明鱗で、白地の真皮(一番上の表皮と下の皮下組織の間の部分)に、青、黒、赤の三色によって生み出される細かな模様が特徴です。元々は三色出目金がオリジナルなのですが、複雑な模様の美しさが、現在では様々な品種に広まっています。キャリコ(calico)とは、元々は「キャリコ琉金」のことをいう言葉です。「キャリコ琉金」は、当時アメリカ人からの依頼によってい作られた金魚なので、英名で「まだら」という意味の「キャリコ」が使われることになりました。
六鱗は「地金」の独特の体色のことです。なので、地金の模様だと思ってもらっていいです。体の色は白で、エラのほかに、背中、胸、腹、尻、尾ビレの六カ所に赤い色が付いていることから、六鱗という名前が付きました。この特徴的な模様は、自然に出る色ではありません。鱗が生え替わる時に白色になる特徴を逆手に取って、素赤や更紗模様の金魚を、幼魚の時に一度鱗を全て剥いでしまうことによって、胴体の部分のみをを真っ白にすることによって特徴的な模様が生み出されます。
青といっても、皆さんが想像する空のような鮮やかな青ではなく、少し灰色が混ざった紺色か、濃青が混ざった銀色のことを言います。三色(キャリコ)のように真皮(一番上の表皮と下の皮下組織の間の部分)の一部の色として現れる場合と、「青文魚」が代表されるような、鱗の色に青が現れる場合があります。鱗の色の場合は、どちらかというと鉛色に近い場合が多いです。
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