生態
青文魚は、全身が青みがかかった青灰色の体色をした金魚です。体の形や、飼い方など通常のオランダ獅子頭とさほど変わりません。しかし、金魚の世界で唯一無二である青味を帯びた体色は他の品種と比べても見劣りすることはなく根強くファンがついています。
青文魚は、元々は中国で藍文魚(あいぶんぎょ)の名で親しまれていた金魚です。それが日本にはいってきた際に、青文魚と名前が変わり現在に至っています。藍文魚の由来は、中国では青文魚の色が藍色に近い事と上から見た時の形から文魚という名がつけられて藍文魚という名になりました。中国では、日本で認識されている青色を藍色と表記し、青色は黄緑色のこと指します。日本でも、緑色の虫を「青虫」・緑色のりんごを「青りんご」と表記されることがあると思います。そのような文化は中国からはいってきた文化です。ですので、青文魚の体色は藍色と中国では認識されました。そして、日本にはいってきてから名前が藍文魚から青文魚へと変わっていきました。青文魚の特徴である体色は、黄色色素の退化によって生まれた色です。他の生き物では、青メダカなども近い変異のタイプです。
青文魚の楽しみ方は、やはり最大の特徴である青灰色をどう美しく鑑賞するかです。そのためには、上から見る方法(上見)よりも、水槽などで横から観賞する方法(横見)のほうがオススメです。横見で鑑賞することによって、LEDなどの光により反射した美しい青灰色を楽しむことができます。それに、青文魚は和蘭獅子頭のように成長するにつれて発達する頭部の肉瘤も一緒に楽しむことができます。もし、上見で鑑賞する際には白い洗面器などに入れて楽しむと光の反射具合などによって青く光る部分が変わっていき横見では味わいにくい青灰色の変化を楽しむことができます。
他の金魚などと混泳させる際に何の種類が良くて何の種類が良くないのか不安になることがあります。まず、金魚全般に言えるのは他の種類と混泳するときにこれとこれは絶対にダメであるという禁止は存在しません。ですので、飼う金魚の性格や環境などによってはダメだと言われている種類同士でも仲良く生きていることもあります。ただ、金魚同士にも相性というものはあります。相性が悪い金魚同士を入れた場合に、すぐに喧嘩をしたり、または片方の金魚だけがエサを独占してしまう可能性が高くなります。なので、あまり相性が悪い金魚同士を入れるのは避けるべきではありますが、最初に説明したとおり金魚同士に禁止は存在しませんので、どうして混泳させてみたい方は混泳させても良いのかもしれません。では、青文魚と相性がいい金魚と相性が悪い金魚の説明をしていきます。
青文魚と最も相性がいい金魚は、東錦(アズマニシキ)や丹頂(タンチョウ)などのオランダ型の金魚です。オランダ型の金魚は、成長するにつれて発達する頭部の肉瘤と琉金型に劣らない美しい尾ビレが特徴的なので、それぞれの品種で成長の変化を見比べてみるのもオススメです。
青文魚と相性が悪い金魚は、蘭鋳(ランチュウ)や江戸錦(エドニシキ)などのランチュウ型の金魚です。ランチュウ型の金魚は、泳ぎが苦手な品種が多く和蘭獅子頭と混泳させてしまうと和蘭獅子頭がランチュウ型の金魚のエサを取ってしまうことがあります。もしランチュウ型の金魚と混泳させる際には、ランチュウ型の金魚がエサを食べることが出来ているのかを気をつけるようにしてください。
青文魚は、オランダ獅子頭と飼い方などはさほど変わらないのですが、専門店などで購入する際には青文魚の背中などに入る茶色の斑点のようなものがある個体がいる場合があります。それは、黄色色素が残留しているだけなので心配する必要はありません。むしろ、好みが分かれるところなので青文魚を選ぶポイントの一つとして見る方も、多いのでぜひそのようなところも観察してみるといいです。青文魚は、オランダ獅子頭や東錦などに比べて直接見る機会が、少ない品種ですので見ることができた際には美しい青灰色を見てみるのをおすすめします。
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