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生態

土佐金の特徴と飼い方

土佐金は高知県で生み出された国産金魚の代表格で高知県の天然記念物になっています。最大の特徴は独特の形をした尾ビレです。今回は、そんな土佐金の特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。

土佐金とは

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土佐金は、大阪らんちゅうと琉金を交配させて生まれた金魚です。そして、土佐金は高知県の天然記念物になっている金魚でもあります。体の形は、琉金に似ていますが尾ビレの先端が通常の琉金は後ろ側を向いているのですが、土佐金は尾ビレの先端が頭側を向いています。なので、琉金に比べて尾ビレが開いた構造になっているため尾ビレの存在感は琉金型の金魚の中でも一番です。そして、土佐金は名前にもあるように高知県で生み出させれた純粋な国産金魚の代表格です。土佐金は、愛好家や品評会などでは「土佐錦魚(トサキン)」と表記することもあります。 ※当サイトでは、「土佐金(とさきん)」で統一しています。

土佐金の成り立ち

土佐金は、高知の須賀家の須賀克三郎氏の長男である須賀亀太郎氏が弘化2年(1845年)頃に、品種改良の末に土佐金を作出しました。須賀亀太郎氏は、口の細い大阪らんちゅうと尾ビレの張りが強い琉金を交配させました。このことは、平付けで三つ尾を持つ大阪らんちゅうの特徴と、土佐金の繁殖過程で背びれの欠損がよく見うけられることや、土佐金の体の特徴が琉金に似ていることからも言えます。土佐金は絶滅の危機に陥ったことがあります。第二次世界大戦時に、土佐金の飼育家が戦争による生活苦などから激減していきました。そして、昭和20年7月に高知で大空襲がありました。その後、昭和21年に起こった南海大震災が追い打ちとなり土佐金は絶滅したと思われていました。しかし、須賀亀太郎氏と親交があった田村広衛氏により三歳の土佐金が2匹と二歳の土佐金が4匹の合計6匹の土佐金が発見されました。現在の土佐金はこの6匹の子孫になります。

土佐金の楽しみ方

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土佐金の楽しみ方は、特徴的な尾ビレ(そり尾)をどう美しく鑑賞するできるかが最大の楽しみ方になってきます。そり尾を楽しむには、水槽などで横から観賞する方法(横見)より鉢などに入れて上から見る方法(上見)のほうがオススメです。そり尾の特徴は、頭側に尾ビレの先端が沿っていることです。なので、上見で鑑賞することで一匹一匹違う、そり尾の特徴を細かく比べることが出来ますし、左右の沿っている角度などを確認することも出来ます。横見で鑑賞するときには、通常の琉金と混泳させてみて土佐金のそり尾を分かりやすく比較する方法としては最適です。

混泳させる際のポイント

他の金魚などと混泳させる際に何の種類が良くて何の種類が良くないのか不安になることがあります。まず、金魚全般に言えるのは他の種類と混泳するときにこれとこれは絶対にダメであるという禁止は存在しません。ですので、飼う金魚の性格や環境などによってはダメだと言われている種類同士でも仲良く生きていることもあります。ただ、金魚同士にも相性というものはあります。相性が悪い金魚同士を入れた場合に、すぐに喧嘩をしたり、または片方の金魚だけがエサを独占してしまう可能性が高くなります。なので、あまり相性が悪い金魚同士を入れるのは避けるべきではありますが、最初に説明したとおり金魚同士に禁止は存在しませんので、どうしても混泳させてみたい方は混泳させても良いのかもしれません。では、土佐金と相性がいい金魚と相性が悪い金魚の説明をしていきます。

相性のいい金魚

土佐金と最も相性がいい金魚は、琉金(リュウキン)や出目金(デメキン)などの琉金型の金魚です。琉金型の金魚は、尾ビレに特徴が出るのでさまざまな種類を混泳させて尾ビレを見比べてみるのも一つの楽しみになります。

相性が悪い金魚

土佐金と相性が悪い金魚は、和金(ワキン)やコメットなどの和金型の金魚です。和金型の金魚は、動きが機敏で短期間で大きくなる種類が多いです。もし和金型の金魚と混泳される際には、土佐金がエサなどを他の和金型の金魚に食べられて、体の差が離れていく可能性があるので気をつけるようにしてください。

土佐金を飼う際の注意点

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土佐金は、金魚の中でも飼育が難しい金魚の一種類です。消化器官が他の金魚に比べて弱い点や、特殊な尾ビレ(そり尾)をしていることで泳ぎが苦手である点などから飼育環境を選ぶ金魚です。土佐金に向いている飼育環境として絶対に抑えておきたい点が、日当たりがいい場所で飼育することです。土佐金が生まれた高知県は、晴天率が高い県とんしても知られているように晴れの日が、非常に多い県の一つということもあって土佐金は他の金魚に比べて日に当たる環境を好みます。そして、できるだけ飼育する入れ物は水槽などではなく睡蓮鉢などのような丸鉢のほうがいいです。水槽は、上から見ると四角形の形をしています。そのせいで、四隅に水が当たり水流が一定方向に流れることが難しくなるので、泳ぎが得意ではない土佐金にとってはとても不便な環境であると言えます。土佐金を稚魚から育てる際には、なおさら丸鉢などのほうがいいです。水槽などで稚魚を飼っていると成長するにつれて尾ビレの形が左右不均等になることが丸鉢に比べて多いからです。しかし、稚魚ではない土佐金(二歳魚・三歳魚)であれば水流などに気をつけることができれば水槽で飼うことも可能です。土佐金は、金魚の中でも飼育が難しい種類ですが、最近では高知県以外でも目にすることが多くなってきました。もし、目にする機会がある場合はその独特の美しさを楽しんでみてください。

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