生態
桜錦は体型などはランチュウとあまり変わらないのですがランチュウと大きく違うのが、モザイク透明鱗の特徴も持った紅白更紗の鱗です。今回は、桜錦の特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。
桜錦は、体型などはランチュウとあまり変わらないのですがランチュウと大きく違うのが、モザイク透明鱗の特徴も持った紅白更紗の鱗です。この特徴的な鱗に光が当たることで赤い部分と白い部分の境が水彩絵の具を混ぜた時のような状態になり、赤い部分と白い部分が混ざり鮮やかな桜色が出てきます。そして、桜錦の中には光が当たるとキラキラ光る光沢鱗を持った個体も多いのが特徴です。
桜錦は、1996年(平成8年)に愛知県弥富町の伊藤恵造氏により発表されて、日本観賞魚振興会の理事会により新品種として承認されました。なので、桜錦は金魚の中では新しい品種になります。作出は、1970年(昭和45年)から愛知県弥富町の深見光春氏が取り組み始めました。その後、10年の歳月をかけて1980年(昭和55年)に固定化が完了しました。桜錦は最初、江戸錦のハネモノ(出来が悪い金魚)として扱われていました。その中でも、江戸錦の浅葱色(あさぎいろ)と黒色が抜けた個体の中から紅白更紗のモザイク透明鱗が美しい個体を選択し、それを仕上げた金魚がのちの桜錦になりました。現在では、桜錦の独特の色合いが人気になり、他の品種でも桜色の金魚が生み出されるようになっています。
桜錦の楽しみ方は、ランチュウから引き継いでいる体型の特徴と桜錦がもっている紅白更紗のモザイク透明鱗という特徴です。それらを楽しむのであれば、水槽などで横から観賞する方法(横見)のほうがオススメです。横見で鑑賞することで、ランチュウの特徴である背びれがない部分と、光に当てることで紅白更紗のモザイク透明鱗から生み出される美しい桜色を楽しむことができ、さらに光沢鱗を持った個体であれば光が当たることでキラキラ光るのでとても美しい姿を見ることができます。肉瘤の特徴を見たい方や左右のバランスを見たい方は、横見よりも鉢などに入れて上から見る方法(上見)で鑑賞する方をオススメします。
他の金魚などと混泳させる際に何の種類が良くて何の種類が良くないのか不安になることがあります。まず、金魚全般に言えるのは他の種類と混泳するときにこれとこれは絶対にダメであるという禁止は存在しません。ですので、飼う金魚の性格や環境などによってはダメだと言われている種類同士でも仲良く生きていることもあります。ただ、金魚同士にも相性というものはあります。相性が悪い金魚同士を入れた場合に、すぐに喧嘩をしたり、または片方の金魚だけがエサを独占してしまう可能性が高くなります。なので、あまり相性が悪い金魚同士を入れるのは避けるべきではありますが、最初に説明したとおり金魚同士に禁止は存在しませんので、どうして混泳させてみたい方は混泳させても良いのかもしれません。では、蘭鋳と相性がいい金魚と相性が悪い金魚の説明をしていきます。
桜錦と最も相性がいい金魚は、蘭鋳(ランチュウ)や江戸錦(エドニシキ)などのランチュウ型の金魚です。桜錦という品種が泳ぎがとても苦手な品種であるので同じく泳ぎが苦手なランチュウ型の金魚であれば、エサを先に食べられることや他の金魚に追われてストレスを感じることが少なくて済むのでオススメです。
桜錦は、飼い方などはランチュウと同じですが、ランチュウとは違う紅白更紗のモザイク透明鱗を持っていることで、ランチュウにはない魅力を持っている金魚です。ランチュウの特徴と江戸錦の特徴をもらった素晴らしい品種ですが、その特徴的な体色は、はっきりとしていないという強みの反面、弱点にもなります。金魚は、はっきりとした体色が多いです。それにより一匹一匹がそれぞれの個性を放ち、しっかりと自己主張ができています。しかし。桜錦を含む桜色の金魚は通常モザイク透明鱗の中でも目に入りやす浅葱色(あさぎいろ)や黒色を抜くことで独特の色合いを生み出すことに成功しているのですが、目立つ色がないことにより色味が弱くなってしまいました。なので、桜錦を飼う方は桜錦のみで飼育をすると水槽全体がぼやっとした印象になることがあるので、桜錦を目立たせるためにランチュウや江戸錦など他のランチュウ型の金魚などを一緒に混泳させてあげるのをオススメします。
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