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生態

蘭鋳の特徴と飼い方

蘭鋳はオランダ獅子頭などと同じように頭に発達した肉瘤を持つ金魚なのですが、他の金魚と違い背びれがないのが特徴な金魚です。今回は、蘭鋳の特徴と飼い方を詳しく説明していきたいと思います。

蘭鋳とは

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蘭鋳(ランチュウ)は、オランダ獅子頭などと同じように頭に発達した肉瘤を持つ金魚なのですが、他の金魚と違い背びれがないのが特徴です。ランチュウ系統の金魚は、全ての種類で背びれがありません。そして、尾びれが短いのも特徴的です。それのような特徴を持っていることで、体のシルエットが中心に集まって丸々しているような姿に見えます。その独特のシルエットがランチュウの一つの魅力になっています。そして、ランチュウは、通称「金魚の王様」と表記されることがあります。ランチュウが大きく成長した姿はまさしく王様と呼ぶにふさわしい貫禄をもっています。日本にいる金魚の愛好家の中で、最も多い割合を持っているのがランチュウの愛好家だと言われています。ですので、金魚の品評会の中でもランチュウ部門は最も注目が集まる部門だと言えます。

蘭鋳の成り立ち

ランチュウは、江戸時代に長崎の出島で貿易をしていたオランダ人が中国から日本に持ち込んだマルコという金魚から生み出された品種になります。マルコは、背びれがなく丸型の身体から名前がつけられた金魚です。そして、マルコとランチュウの大きな差は頭の肉瘤があるのかどうかです。マルコはランチュウのような肉瘤がありません。江戸時代の中期にあたる1748年に発行された現在確認されている中では日本最古である金魚飼育書である「安達喜之著・金魚養玩草(きんぎょそだてぐさ)」には、「卵虫(ランチュウ),朝鮮金魚」という記述があり、この卵虫,朝鮮金魚がのちの蘭鋳になります。なので、江戸時代の中期から後期に作られた浮世絵などには卵虫の絵が描かれており、描いているものを卵虫と呼んでいます。現在の肉瘤を持ったランチュウは、幕末から明治にかけて東京にいた初代石川亀吉氏が改良に取り組んだことによって現代のランチュウ基礎を築いたと言われています。それから、現代に至るまで数々の愛好家の間で、改良が繰り返されて現在に至っています。

丸手と長手

丸手

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ランチュウには、体の形や肉瘤の付き方の違いなどから丸手と長手の2種類に分類されることがあります。まず、丸手の特徴から説明します。丸手は、ランチュウを横から見た際に背中が丸くなっているランチュウのことを指します。背中が丸くなっていることから丸手と呼ばれるようになりました、丸手の特徴として、背中が丸い事ともう一つ肉瘤が頭の上にできるのが特徴です。肉瘤が頭の上にできるのは、他の種類ではオランダ獅子頭などもそれに当てはまります。肉瘤ができるほとんどの種類が、頭の上にできるタイプです。丸手は、ランチュウの王道のタイプに近く、丸みがあり可愛らしい印象を与えてくれます。なので、丸手はランチュウの可愛らしい姿や一生懸命泳いでいる姿などが好きな人にはオススメです。

長手

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長手は、丸手と違いランチュウを横から見た際に背中が曲がっておらず直線に近いのが特徴的です。そして、長手最大の特徴は肉瘤が頭の前方部分にできることです。長手と丸手を上から見比べると、一目瞭然で長手のほうが頭の前方部分に水泡のようなものがあるのがわかると思います。これが、長手の最大の特徴だと言えます。そして、長手のような肉流の特徴を持った金魚は他の種類にはあまり存在しません。つまり、長手独特の特徴だといってもいいです。長手は、他の種類にない肉瘤という特徴に魅力を感じた人やランチュウの中でもスマートな体をした個体が好きな人にはオススメです。

蘭鋳の楽しみ方

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ランチュウの楽しみ方は、成長するにつれて発達する肉瘤やランチュウ独特の背びれのない体型です。それらを楽しみのであれば、水槽などで横から観賞する方法(横見)のほうがオススメです。横見で鑑賞することで他の金魚にはない背びれがないというランチュウの特徴を、楽しむことができ丸く可愛い姿を楽しむのであれば横見のほうがオススメです。ランチュウは成長するにつれて、お腹周りが丸々してくるので横見であれば成長するにつれて変化する体を楽しめます。長手のランチュウを楽しみたい方は、横見よりも鉢などに入れて上から見る方法(上見)のほうがオススメです。長手は頭部の肉瘤が頭の前方に成長するのが特徴なので、成長した肉瘤をよりわかりやすく見る方法としては横見よりも上見のほうがオススメです。ランチュウは、他の金魚に比べて横見と上見で鑑賞できる特徴が顕著に出る品種ではあるので、どちらで見ても楽しみことができますし、好まれる方が分かれるポイントにもなるので、どちらも挑戦してみて自分の好みを見つけるのもいいと思います。

混泳させる際のポイント

他の金魚などと混泳させる際に何の種類が良くて何の種類が良くないのか不安になることがあります。まず、金魚全般に言えるのは他の種類と混泳するときにこれとこれは絶対にダメであるという禁止は存在しません。ですので、飼う金魚の性格や環境などによってはダメだと言われている種類同士でも仲良く生きていることもあります。ただ、金魚同士にも相性というものはあります。相性が悪い金魚同士を入れた場合に、すぐに喧嘩をしたり、または片方の金魚だけがエサを独占してしまう可能性が高くなります。なので、あまり相性が悪い金魚同士を入れるのは避けるべきではありますが、最初に説明したとおり金魚同士に禁止は存在しませんので、どうして混泳させてみたい方は混泳させても良いのかもしれません。では、蘭鋳と相性がいい金魚と相性が悪い金魚の説明をしていきます。

相性のいい金魚

ランチュウと最も相性がいい金魚は、江戸錦(エドニシキ)や桜錦(サクラニシキ)などのランチュウ型の金魚です。ランチュウという品種が泳ぎがとても苦手な品種であるので同じく泳ぎが苦手なランチュウ型の金魚であれば、エサを先に食べられることや他の金魚に追われてストレスを感じることが少なくて済むのでオススメです。

相性が悪い金魚

ランチュウと相性が悪い金魚は、和金(ワキン)やコメットなどの和金型の金魚です。和金型の金魚は、動きが機敏で短期間で大きくなる種類が多いです。もし和金型の金魚と混泳される際には、ランチュウがエサなどを他の和金型の金魚に食べられて、体の差が離れていく可能性があるので気をつけるようにしてください。

蘭鋳を飼う際の注意点

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ランチュウは、飼う際に絶対に注意すべきなのはランチュウという品種を飼育するのが難しいということです。難しいといっても、飼えないという訳ではありません。ランチュウは、「金魚の王様」と言われることもあり金魚をあまり知らない方でも名前だけであれば聞いたことがある方も少なくありません。なので、金魚を初めて飼ってみようと思った方の中にはランチュウという選択肢を入れる方がいますが、ランチュウは金魚の中でも水温の変化に敏感な傾向があり、季節の変わり目には病気になるリスクも非常に高い金魚です。つまり、金魚をこれから飼ってみようという初心者の方が初めて飼う品種としては難しい品種だということです。まず、飼いやすい品種を飼ってみて慣れきてから挑戦するのをオススメします。ランチュウは、金魚の品種の中でも1・2位を争う人気の品種です。そのため様々な愛好家の方々が、こだわりを持ってランチュウに向かい合っていますので、そのような人とお話してみてみるのもランチュウを飼う上での楽しみです。ランチュウは、水温の変化に敏感なので水温が変化しやすい場所などで飼育するときには特に注意する必要があります。もし、そのような環境で飼育をする際にはヒーターなど使用するようにしたほうがういいです。ランチュウは、愛好家が多いことからもたくさんの魅力と楽しみ方がある金魚なので、ランチュウに興味がある方はぜひ飼ってみてください。

蘭鋳から派生した金魚

南京

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南京は島根県の天然記念物に指定されている金魚です。南京の特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

江戸錦

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体の形などは、蘭鋳とあまり変わらないのですが、体の色が東錦などと同じ三色(キャリコ)柄の金魚です。江戸錦の特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

桜錦

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体の形などは、蘭鋳とあまり変わらないのですが、体の色がモザイク透明鱗の紅白で全体的に淡いピンク色をしています。桜錦の特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

大阪らんちゅう

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大阪らんちゅうはランチュウ系統の中でも古い分類にはいる金魚です。大阪らんちゅうの特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

麁の華

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麁の華は成長すると尾びれが長くなりスマートで美しい金魚です。麁の華の特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

ライオンヘッド

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ライオンヘッドは中国で作出された金魚で中国金魚の代表格です。ライオンヘッドの特徴や飼い方についての詳細は下記の詳細ページで説明しています。

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